【短編集】communication
「聡?」


「マジ、嬉しい。」


ここは、学校帰りの公衆の場。


誰に見られてもおかしくない。


「離れて。」


聞こえるか聞こえないぐらいの声の大きさで言った。


聡は、私の反応で恥ずかしかったのが伝わったのか静かに離れた。


「わりぃ。嬉しくて....」


「私も嬉しいよ。」


こんな私知らない。


いつもみたいにできない。


「繭、俺んち来ない?」


いつもなら、聡が来るのに。


「うん。」


疑問に思いながら頷いた。



この時は、ぎこちなくて。


告白される前の方がよっぽど恋人らしかった。


そう思ったっけ。


一瞬で私たちの関係を変えてしまった。


『好き』
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