【短編集】communication
「俺、美雪の事好きだよ。」


「好き?」


「うん。だから、連絡取りたいし、会いたいし。」


「嘘。」


戸惑いを隠せない。


「はじめっから、美雪が好きだよ。あの時言ってたのも美雪の事だ。」


「私も好き。」


「知ってる。」


幸一は、笑顔で答えた。


「やっと手に入った。」


幸一は、安心したように美雪を抱きしめた。


「あいつに相談してよかった。」


幸一は、呟くように言った。



「あいつ?」


美雪は、聞き返した。


「やべっ」


幸一は、動揺しはじめた。


「なにが?」


「実はな。」


幸一は、話してくれた。


幸一と保奈美がいとこ同士だってことを。


保奈美が、静也とデート中の時、偶然私と幸一が一緒にいるのを見たらしい。


隠してたのは、お互いに気まずいのがわかっていたからだ。


それに、隠してて拗れる話でもないからだ。


保奈美が休んだ日は、親族の集まりだったらしい。


保奈美と幸一は、その日に久々に会った。


保奈美から私とのことをどうするのか言われたらしい。


ちょっと前なら、絶対言ってくれなかっただろうな。
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