【短編集】communication
「そうだ。今度からは彼氏がいるからって断れよ。」


幸一は、ぶっきらぼうに言う。


「なにを?」


「よく告白されるんだってな。」


私は、今まで告白してきた相手を思い出して答えた。


「そんなに告われないよ」


「保奈美から聞いた。校内で一番人気の男とか待ち伏せされてとか呼び出しがとか最低一日一回なんだってな。」


幸一は、つまらなさそうだった。



「言い過ぎだよ。それに、私は、告白されても、幸一が好きだから断ってたんだけど....」


「それは、嬉しいんだけどさ....」


「な〜に?」


私は、幸一が言いたいことがわからなかった。


「美雪、わからないか?」

「うん。私が幸一を好きなだけじゃダメなの?」


美雪は、知ってか知らずか上目遣いで幸一に聞いた。
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