【短編集】communication
「桃....」


私は、今日も秘密の行為をする。


今、私の名前を呼んでいるのは、彼氏ではない。


私は、彼氏でもない男と体を重ねる。


その男には、ちゃんと彼女がいる。


だから、一応浮気相手だ。


だけど、私はこの男との関係が誰にもバレてないから続ける。


それに、男は、こいつだけじゃない。


同じように彼女がいたり、妻子がいたりする相手ばかり。


誰だってあるでしょ?


『隙あらば』


私は、その隙になってあげるの。


見た目は、清楚なお嬢様系な服が似合う私。


見た目と中身は、全く違って。


いろいろと思うことを心の中に秘めていた。


こんなことをしだしたのは....


父の死がきっかけだった。


私は、ファザコンってぐらい父が大好きで。


反抗期で父親を嫌いになる女の子の気持ちなんてわからない。


それほど、大好きだった父。


私の心に穴をあけるのには簡単だった。


私が気づかないところで少しずつ私は壊れだした。


最初は、彼女がいたりする人には興味なかった。


今は、彼女がいたりする方が楽だ。


相手の男は、私の存在を絶対に隠したい。


私だって、誰にも言えない秘密。
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