【短編集】communication
気のせい?


「あ、朝ご飯食べたら、帰るね。」


邪魔なんだと思った。


「えっ?ど、どうして?」

なんで、動揺してるかな?


「私がいるの邪魔なんでしょ?」


「違う。ただ、スッピンかわいいなって。」


「あ、ありがとう。」


そんなの初めて言われた。


「渡邉さんは、今日暇?」

「特に予定はないよ。」


「俺とデートしてよ。」



「?」


私は、首を傾げた。


「俺さ。渡邉さんが好きなんだ。昔から.....」


昔?


意味が.....


わからない。


「俺さ。渡邉さんと高校同じだったんだよ。後、鈴木も」


嘘。


こんな人いた?


後、鈴木くんも。


知らない。


「まあ、知らなくて当然だよな。男どもの間で噂の的だった。」



「あっ!鈴木くんは、生徒会やってた?」



「あぁ。やっぱ、あいつは覚えてたか。俺、サッカー部でエースだったのに....」


なんか、イメージ通り。


「学校に興味なかったから。それに....」



言えない。


鈴木くんと同じ生徒会の人と関係を持ったから。


だから....


もしかしたら、鈴木くんは知ってるのかも。
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