【短編集】communication
「俺、知ってるよ。渡邉さんがいろんな男とラブホ行ってんの。」



嘘だ。


「それなのに好きってあり得ないよ。」



私は、嫌われて当然の事をしてきたから。


「渡邉さん、いつも寂しそうだった。」


気づいてた?



「寂しかった。けど、縛られたくなくて。どうしたらいいかわからなくて。」


「無意識でも俺に早く出会いたかったって嬉しかった。」


覚えてる。


「無意識じゃないよ。だって、一人は怖いから誰かと一緒にいたいけど、みんなエッチしたがるから。」


「俺は、すべて受け入れるから。つき合わないか?」


こんなに私を真剣に考えてくれる人はじめて。
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