【短編集】communication
......あっ。



思い出した。


私がこうなった理由。


お姉ちゃんのせいだ。


今は幸せらしいけど。



私の年ぐらいの時は、バレなきゃ何してもいいって。


ハチャメチャだったから。


私は、逆にビビって行動できない。


お姉ちゃんみたいにできたら、うまくいくんだろうな。


やってらんない。


「なんか言ってくれないかな?」


いつまでも黙っている私に痺れを切らした椎野くん。


「ありがと。私は.....」


言っていいのかな?



今もまだ迷っている。


言えば、受け止めてくれるのに言えない。


恥ずかしいよりも怖い。


「じゃあさ。俺が質問するからさ。YESなら首を縦に、NOなら首を横にふってよ。」


「わかった。ごめんね。」


「謝んなよ。俺が短気のせい。」


違うよ。


普通の会話なら言葉がでるのに......



言いたいことが言えない。
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