【短編集】communication
私は、このままの生活が続けばいいなって夢を見た。


けど、跡取りができなきゃ、お兄ちゃんと里衣ちゃんは、結婚できない。



両親に反対されてるからね。


だから、既成事実なんだけど。


お兄ちゃんは、お見合いしたくないみたいだし。


まあ、里衣ちゃんいたら仕方ないか。


そしたら、私に飛び火するから。


里衣ちゃんが妊娠したら、跡取りもでき、結婚もできる。


私は、被害を被らない。


そのため、応援してる。


それに、もう一つ理由ができた。


椎野くんがいるから。



他の誰のものでもない椎野くんのものになりたい。



「あのさ。俺、蘭って呼びたいから、俺を名前で呼んで。」



「一輝」


「蘭」



お互い、見つめ合ったまま名前を呼んだ。


なんか照れくさい。


「蘭」


もう一度、一輝に名前を呼ばれるとキスされた。


恥ずかしい。



私は、キスが終わると顔を下に向けるしかできない。


だって、初めてだし。



どんな顔したら、いいかわからないよ。


とりあえず。


一輝が望むなら、理性を保てないぐらい本能のままで行動できたらいいかな。


私の望みは、叶うなら一輝が、私の最初で最後の人になるように。


こんな幸せ知らないから。


いつもより早くきたお兄ちゃんに感謝かな?





end
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