【短編集】communication
私は、決めた。


臣くんからの提案だった。


私と結婚したいがこのままでは結婚できない。


親がやむなく了承してくれるのは、私の妊娠だった。


私は、臣くんと幸せになれるならと。



私たちは、子づくりに励んでいる。


蘭ちゃんには、申し訳ないと思ってる。


けど、蘭ちゃんも応援してくれるから。


頑張ろう。


「里衣」


今日も耳元で甘い囁きをする臣くん。


愛しくて愛しくてたまらい。


「臣くん、もっと....」


私は、臣くんが欲しくて欲しくてたまらない。


こんな生活を続けて半年。


まだ、妊娠の傾向はない。


気がする。



そういえば、最近はいつ生理がきたっけ。


臣くんに会うことばかりに気を取られて。



忘れてた。



私は、手帳を開いて確認した。


最後は、2ヶ月前。


もしかしたら、妊娠してるのかも。


淡い期待が過ぎった。


けど、確信が持てない。


だって、元から不順だったから。


検査薬で調べなきゃ。


どうしよう。


いざ、こんな状況になると焦るよ。


誰に、相談したら.....



臣くんにかな?



けど、不確かすぎて。


蘭ちゃんかな?


臣くん以外に事情を知ってるのは、蘭ちゃんだけだし。


女の子同士だから、大丈夫だよね。
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