【短編集】communication
私は、すぐに蘭ちゃんに電話した。


『もしもし、里衣ちゃん?』



「蘭ちゃん、暇?」


『どうかしたの?』


「あのね。もしかしたら....なんだよね。確かめなきゃなんだけど.....」



『わかった。今から家に来てよ。』



「うん。行く。」


蘭ちゃんとの電話を切り、蘭ちゃん家に行った。


心強いな。


未来の妹は、しっかり者だ。


「蘭ちゃん。」


「里衣ちゃん、はい。」


蘭ちゃんは、私に検査薬をくれた。


準備万端?



「ありがとう。けど....」


「最近ね。お姉ちゃんが使ったの。なんか2個セットのを買っちゃって。余ったからってくれたの。」


そっか、つい最近、蘭ちゃんにも彼氏ができたからね。


納得、納得。


「じゃあ、確かめてくるね。」


私は、蘭ちゃん家のトイレを借りた。


どうか、妊娠してますように。


子供ができたら、結婚できる。


そのための道具になってるように思えるけど違うよ。


臣くんの子供なら欲しいもの。


2人で一緒よりも楽しくなるはず。


安易すぎると思われるかもしれない。


けどね。


そう思われてもいいから欲しいの。
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