【短編集】communication
「残念でした。彼氏は、雨琉と違って....」



次の言葉を言おうとしたら。


遮るように言われた。


「流香。やり直したい。」


私の手を握りしめて。


「無理。」


私は、雨琉から離れようと必死だった。


「あの時は、ごめん。だけど.....」



「今もあの頃の状況と同じなんだよ。けどね。彼氏は守ってくれる。そんな彼氏を裏切るわけない。」


てか、なんでこんな時に限って電車が来るの遅いかな?



「それでも、流香を俺の物にする。」


なんで、壊そうとするの?


私、雨琉になんかした?


雨琉が、私にしたんでしょ?


それなら、私の幸せ祈ってよ。


逸らせないほどの真剣な目。


怖いぐらい吸い込まれそう。


「私は、物じゃない。もし、誰かの物になるなら、それは、今の彼氏だよ。」



揺るぎない答え。


瑛太だけ。


雨琉を傷つけたとしても関係ない。


私は、瑛太が大切だから。


一番とか順番をつけれないけど。


だって、瑛太しかありえないんだもの。
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