【短編集】communication
初めから、雨琉は比べる対象じゃなかった。


てか、蘭の言うとおりだったな。


『会ったら、絶対自覚するよ。瑛太くんしかいないって。てか、過去を美化しすぎなんじゃない?だから、そう思ってるだけで実際違うのよ。』


すごいな。



「あのさ。」



瑛太は、気まずそうだった。


「うん?」



私は、戸惑った。



「なんか.....あぁ〜。とりあえず、場所変えてからかだ。」


そう、ここは駅。


チラ見で通り過ぎる人がちらほら。


私と瑛太は、手をつなぎながら瑛太の家に向かった。


初めて。


瑛太がたまに私の家に来ることはあった。


それは、私を家まで送るため。


けど、今日は違う。
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