【短編集】communication
「俺、ヤメるよ。」


「えっ?」


なにを言ってるの?


「だから、この仕事辞める。」


「なんで?」


ダメだよ。


「俺は、玲奈が大事だから。」


「雨琉....」


嬉しいよ。


雨琉にとっての一番が私だって。


だけど....


「玲奈、結婚しよう。」


えっ?


私の頭の中は、どんどんパニックを起こしていた。


「雨琉。」


私は、雨琉の名前しか呼べなかった。


「俺は、玲奈がいなきゃ。この仕事を続ける意味もないし、頑張れない。」


私は、雨琉の重荷?


「雨琉、ヤメたら....ダメ」


「玲奈?」


「私のためにそこまで考えてくれるの嬉しいよ。だけど....」


私は、雨琉の将来をダメにする。


最低な女。


お互いを高め合えなければダメなんだよ。
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