【短編集】communication
雨琉は、今売れっこのモデル。


最近、バラエティーやらドラマに出演できるようになってきた。


雨琉のファンも日に日に増えた。


そんな彼に、なんて事を言わせてしまったのだろう。


私と彼は、幼なじみだった。


つきあいはじめたのは、高校生になってから。


雨琉には、ずっと彼女がいた。


雨琉は彼女が大好きで。


彼女と相思相愛なほど彼女への嫌がらせがひどくなった。


雨琉は、彼女のために別れた。


ずっと、雨琉の心の傷だった。


私は、ずっと雨琉が好きだった。


雨琉と彼女を見て、嫉妬より幸せそうなのが嬉しかった。


だから、この先ずっと告白しようなんて気はなかった。


変わらずずっと幼なじみとして隣にいたかった。


それを打ち破ったのが雨琉。


私は、彼女と別れた雨琉を支えていた。


それほど、愛しい人だったのかと実感した。


そして、高校が違えど、頻繁に会っていた私たち。


『俺らの関係ってなんだろうな?』


これだった。



幼なじみって言えなかった。



私は、言うまいと決めていた想いを伝えてしまった。


これ以上、幼なじみとしていれないと思ったから。


フられる。


そう思った。


予想外に。


『俺も言おうと思ったのに』


なんて言われた。


そこから、私たちはつきあい始めた。
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