【短編集】communication
「てん。隣のクラスの川田君が呼んでるよ」


「えっ?あっ!うん。」


妄想中の私を小百合(さゆり)が呼び戻した。


川田?


誰だろ?


そう思いながら、彼のいる教室のドアに向かった。


「織部さん。話があるから来てくれる?」


織部(おりべ)とは、私の名字。


川田くんは、軽く頷いた私を屋上へ連れ出した。


彼は、てっちゃんと真逆なさわやかオーラを放っていた。


身長も低くもなく高くもない私にはちょうどよさげな身長。


って、なにを考えてるんだろ私。


「えっと。川田くん話ってなに?」


屋上に着くと私は、聞いた。


川田くんは、にっこり笑うと


「俺、君が好きなんだ。つき合ってくれない?」


告白?だった。


「えっ?」


私は、目をパチクリした。


信じられなかった。


私を好きになってくれる人がいるだなんて。
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