【短編集】communication
『兄貴が好きなら、兄貴の彼女にならない限り家にくるなよ。天音が誰のものでもないと手を出したくなる。』


私は、あっちゃんの言われたとおりあの日から行っていない。


てっちゃんは、はじめこそ不思議がっていたが気にしなくなった。


たぶん、てっちゃんは私を好きじゃないから。


辛いな。


それに、あっちゃんには、いつも相談してた。


傷つけてたなんて知らなかった。


私って、最低だって。


知らないからいいわけじゃない。


知らないから余計に傷つけて。


「てんてん。あんたさ。さっさと告白しな。」


「そうだよね。」


けど....


「ウジウジしすぎ。大丈夫だから。そろそろ哲だって、イライラしてるんだから。」


「イライラしてたら、マズくない。」


フられる可能性高くならないのかな。


「大丈夫だからね。」


玲奈ちゃんは、お姉さんのように私に言ってくれる。

「わかった。明日にでも。」


「ダメ。今日言いなさい。」


「きょ、今日?」


急すぎない?


心の準備が....


「大丈夫だからね。」



優しく私の頭を撫でた。


「けど、てっちゃん....」
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