【短編集】communication
「天音。俺は、天音が好きだよ。」


もう一度、私の名前を呼んで聞き間違いかと思う言葉が聞こえた。


「てっちゃん?もう一回言って?」


「もう一回だけだぞ。天音が好きだ。」


てっちゃんが照れながらもう一度言ってくれた。


「嘘だ。」


「天音、返事は?」


「私....」



「まあ、聞かなくてもわかるけどな。天音は、俺が好きだろ?」


自信満々に言うてっちゃんに頷くしかできなかった。


「よし。」


てっちゃんは、私を抱き上げた。


私が小さいから抱きしめるんじゃなくてね。


てっちゃんと同じ目線。


「てっちゃん。恥ずかしいよ。」


「誰も見てないからいいだろ?」


「いや。」


私は、てっちゃんに顔を見られないように抱きついた。
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