【短編集】communication
「天音に関してだけだよ。」


そういってから、キスをしてくれた。


「て、てっちゃん?」


私は、初めてだったから唇を手で覆った。


「奪っちゃった?」


かわいく言うてっちゃんになにも言えないよ。


大好きな人だから。



もっとって思っちゃったから。


「てっちゃん、もう一回して?」


私がそういうと驚いた顔をしたけどキスをしてくれた。


繰り返し何度も何度も。


唇を重ねては、離れて。


離れては、唇を重ねた。


甘い甘いキスだった。


初めてだから、わからないけど。


こんな風にキスを何回もしたいとか思うのは、てっちゃんだけなんだろうな。


身長が40センチ差の私とてっちゃん。


心の距離は、それ以上にはなれてるって思ってた。



けど、心が重なり0センチ。


今、すべてが重なる。






end
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