【短編集】communication
「兄貴がさ....子供ができたから、結婚すんだけどさ。ちゃんとしなきゃとか悶々と考えてたわけ。ごめん。」


「えっ?」


「だって、いずれは結婚するじゃん。けど、順番は間違えたくないし。」


なに、こいつ。


嘘でしょ?


「そこまで、考えてたの?」


あきれる部分もあるけど、嬉しいかな。


「俺には、若葉しかいないから。」


壱が私を抱きしめた。


私は、安心したように身を任せた。


「ほんとに、ほんと?」


「当たり前だろ。」
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