【短編集】communication
そういえば、亙まだかな?


亙の部屋は、依然と暗いままだった。


-トントン


私の部屋がノックされた。


「は〜い。だ〜れ?」


お母さんかな?


珍しいな。



そう思ってたら、全然違った。


「俺だけど、入るぞ。」


だって、声を聞いたらすぐにわかった。


それぐらい私にとって愛しい人。


亙は、返事をしない私を気にせずに部屋に入ってきた。


「ど、どうしたの?」


マジ、吃驚だよ。


久々に話したし....


動揺が隠せないよ。


「うちの親いないから、歩美の家で食べろってさ。来たら、歩美母が、歩美の部屋行けってさ。」


「そ、そうなんだ。」


私は、まさかまさかの急展開にドキドキだよ。


さっきまで、告白する気充分だったのに....


「歩美さ。俺が、言ったこと覚えてる?」


「.....?」


私は、亙がいきなり聞いてきたから、わからず首を傾げた。
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