【短編集】communication
「京子、マジどうしたんだよ。」


類は、いつもと違う私に慌てふためいていた。


類に伝わらないのは、当たり前だし。


けど、言えない。


こんな醜い感情。


どんなに類に話しかけられても言葉がでない。


そんな私に対して、類は、考えてるようだ。


自分がなにをしたか。


類は、なにもしてない。


ただ、バレンタインだから貰っただけ。


香子先輩がどんな気持ちで渡したのかだって知らない。


私の勝手な思いこみ。


「る、類は....悪くない。私が....私がダメなの。」


私が、やっと言えた精一杯の言葉。


私は、自分の鞄を持って帰ろうとした。


「ヤキモチか?」


類は、嬉しそうに言う。


気づいたの?


でも、意味がわからない。


なんで、嬉しそうなの?


「香子先輩に妬いたんだろ?香子先輩は、蓮の彼女だぞ。」


類は、思い当たる節を言った。


えっ?


蓮くんの?


嘘!


私は、真っ赤になるどころか青ざめた。


だって...


勘違いで投げちゃったよ。


どうしよう。
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