【短編集】communication
「空亜?」


私は、そそくさと帰る準備をしていたら名前を呼ばれた。


「あっ!律人くん。部活?」


好きな人に話しかけられた。


しかも、呼び捨て。


「あぁ。お前、一人で帰んの?彼氏は?」


「帰るけど?私、彼氏いないから一人だよ。」


寂しいな。


「はっ?蓮は?」


律人は、吃驚するように聞く。


「蓮?なんで?蓮は、彼女いるし。ただの幼なじみなだよ。」


私は、律人の質問に淡々と答えた。


意外と冷静かな?


「そうなのかよ〜」


律人は、脱力したようにその場にしゃがみ込んだ。


「どうしたの?」


私は、律人に近寄った。


「俺としたことが、マジ失敗。」


律人は、そのまま顔を上げて言った。


「律人くん。変だよ。」


私は、心配した。



「変なのは。空亜と知り合ってからだ。」


私のせい?


なにも言えなかった。


「俺さ。空亜に一目惚れだったんだけど。どうしたらいい?」


嘘。


だけど....
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