ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love


その時、結城の声がして…

「君、寒くないかい〃

そんなに肩がむき出しじゃ、寒いでしょう。

風が冷たくなって来たよ、 風邪を引くと大変だから…
これを上から掛けなさい」


-すみません、
ではお借りしますわ。

ほんとだわ!
風がずいぶん冷たくなってる -



結城が小絵に差し出したのは、シルクのマフラーだ。

深いブル-の色のその…
マフラーを広げて、小絵は自分の肩にそっと羽織った。


そのマフラーからは、ほのかな温もりが伝わっていた。

肩から、結城の優しさが小絵の身体にしみていく…


小絵の胸には明かりが点っている…暖かい…。


結城の部屋を出る時には、 いつもと違い、去りがたい気持になっていた。



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