ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
ナポリ湾の真珠、カプリ島
この後には、カプリ島へ渡る予定だ…
このポジタ-ノからは、
フェリーに乗らなくては、 ならないのだが…
40分ほどの時間で到着する。
小絵と結城は慌ただしく、 ポジタ-ノを後にした。
いよいよ、白昼夢の旅が始まるのだ…
ポジタ-ノの港から高速船に乗る。
さほど大きな船ではなく、島から島への渡し船だからなのか、
日本の瀬戸内海を渡る船のようだ。
ナポリの真珠の楽園…
カプリ島の港、
マリ-ナグランデ港を目指して進んでいる。
二人は船内の客席には座らずに、船の甲板にいたのだが…
紺碧の海に見とれていた小絵の頬を海の風が叩いた。
痛くはなかったが、冷たい風は海の青さにも似て、
小絵を釘付けにしていた。
海の青さもさることながら、空の色も青々としていて、
だから、空気や風までもが、さえざえとした青色に満ちている。
二人は、心地よさそうにして風に身をまかせていた。
ポジタ-ノの白い断崖はだんだん遠くなり、
レモンの木の緑だけが、いつまでも瞼に残っていた。