ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love


結城がそう言うのも、あたりまえ…


とにかく全てが素晴らしいのだから…



-ほんとですね。
今日は極上のお天気ですから、


島じゅうが、きらめいて見えますわ…♪-



カプリ島には、一段と高い山があるが、ほとんど岩肌がむきだしになっている。


その山裾から、中腹に向かって、緑が繁っているところがある。



そこには、レモンやオレンジの木が植えられていて、


季節によっては、黄色い実がたわわに実り、葉の緑とのコントラストを描いてる。



今は、花の季節だ…
花の盛りでもある。


名も知らない花々が島中に咲き乱れ、楽園を彩っている…


ナポリ湾に浮かぶ、楽園の島にある、丘へ車は走る。


その、アナカプリの丘にホテルがある。


ホテルは、まるで隠れ家のように、ひっそりと…
その丘に佇んでいた。


結城は今日から…
このホテルのスイ-トル-ムに泊まる。



宮殿のように建てられているホテルはプールからも、


レストランからも、また客室のどこからでも…


青い海を眺めることができたのである。



小絵の胸は今にも踊りだしそうな位、嬉しい気持になっていて、


思わず手を胸にあて感謝した。もちろん結城にである。


結城がここに泊まりたいと選んだからだ…



『結城様ありがとう♪
小絵はほんとうに、会えるのかしら…


結城様の夢のニンフにも、会えたらいいのに………』


この丘の向こうにある、 レモン畑からやってくるのかしら…


それとも、この青い海からなの………



どこから飛び出して来るのだろうかと、その会えるかもしれない人を期待した。
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