ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love


このホテルのカフェは、
一階にあるのだが、



丘の上に建っているホテルなので、カフェのテラスの真下は断崖絶壁だ。



そなテラスからは、目の前のティレニア海を一望できる。



小絵はそのテラスで結城を待っていた。



テラスの席の椅子に座っていた小絵に、海からは心地よい風が吹き上げられていた。



その風が吹き上げられる度に、小絵の髪のおくれ毛がなびいた。



何度も、その乱れた髪を手でかき上げるのだが、
おいつかない………



それに
『 じゃあ、カフェでね 』
なんて、弾んだ声で答えた結城は…まだこない。



そのうち、小絵は髪をかきあげるのに、疲れてしまい

風に逆らうことを止めていた…



その時、やっと結城が現れた。手を振りながらカフェに………



「 やあ…遅くなって…
すみません!

待たせてしまいましたね 」



-いいえ、かまいませんわ♪
お気になさらないで下さい。


このカプリでは、ごゆっくりなさって下さい。


気の向くまま、足の向くままで…いらして下さい♪-


「えっ…、そんなこと…
していいの…


それでは、僕は迷子になるよ………君 」



-いいえ、なりませんよ♪
ほんとうに、狭い島なんですよ-



「まぁっ…つまり…その、
リラックスしろということなんですね…


わかりました、そうしましょう! 」




-ありがとうございます… 結城様♪


ご理解していただけて、少し安心いたしました。


このホテルには、スパも完備していますので…


もし、宜しければご案内させていただきますから…-
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