ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
まるで、青年のような笑顔である。
そんなしぐさをした結城には驚いた小絵だが、
その後で小絵は、
ほんとうの結城は…
寂しい人なのかもしれないと思った。
それなら、
このカプリ島で過ごすのは、三日だけだから…
結城を、うんと気遣って… リセットさせてやりたいと 思うようになっていた。
結城の妻がいっしょなら… そんなことを、
思う必要も無かったろうに…
小絵は、いつの間にか、
目の前にいる中年男を好ましい男として見ていたのだ。
だから、そこまで考えてしまったのだ。
しかし、小絵のそんな気持などわかりもしない男…
結城は、食後にはまたもや、サッサと自分の部屋へと 籠ってしまった。
小絵はあきれていた…
さっきまで、
あんなに、ご機嫌が良かったのにと、
不思議でしかたがなかったのだが…
一人で取り残された小絵は諦めて、テラスにしばらく座っていた。