ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
結城は不思議な面持ちで、小絵に語り続けていた。
「そのニンフが、しゃべるんだよ…
自分の故郷は、このカプリ島だと言っていたのを覚えている…
僕の耳に囁くように言っていたよ…
でも、ほんとうにそんなことが、あるのだろうか…」
-このカプリ島が故郷ですか………
そのニンフの言う意味がわかるような気がしますわ -
「どうしてなの …
なぜ君に…わかるの 」
-だって、このカプリ島をごらん下さい。
あんなに多くのレモンの木が、植わっているんですよ。
だから、レモンの木のニンフがいても、不思議ではありませんわ~♪-
「アッ、そうだよね♪
僕みたいなものにもね…
そう思えてきましたよ 」
-良かった♪
結城様に、君は変な人だねって、言われなくて…
ほっと、しましたわ-
「そんなことは言わないよ。
アッ、そうそう夕食の時間だよね… 」
-そうなんです。
レストランに予約しておりますので、時間厳守でお願い致します -
「わかりました。
それじゃあ、君すまないが、先に行ってて下さい…
僕は着替えてから、レストランへいきますので…
いったん部屋へ戻りますから … 」
-わかりました、結城様♪
私も着替えてからまいりますので…
ロビーで待ち合わせをいたしましょう…いかがでしょうか♪ -
「はい…♪
それでけっこうです…
じゃあ、あとで ね ♪ 」
結城は小絵に、そう言うと…背を向けてサッサと行ってしまった。