ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love


結城は不思議な面持ちで、小絵に語り続けていた。



「そのニンフが、しゃべるんだよ…

自分の故郷は、このカプリ島だと言っていたのを覚えている…


僕の耳に囁くように言っていたよ…


でも、ほんとうにそんなことが、あるのだろうか…」


-このカプリ島が故郷ですか………


そのニンフの言う意味がわかるような気がしますわ -


「どうしてなの …
なぜ君に…わかるの 」



-だって、このカプリ島をごらん下さい。


あんなに多くのレモンの木が、植わっているんですよ。

だから、レモンの木のニンフがいても、不思議ではありませんわ~♪-



「アッ、そうだよね♪

僕みたいなものにもね…
そう思えてきましたよ 」



-良かった♪
結城様に、君は変な人だねって、言われなくて…

ほっと、しましたわ-




「そんなことは言わないよ。
アッ、そうそう夕食の時間だよね… 」



-そうなんです。
レストランに予約しておりますので、時間厳守でお願い致します -



「わかりました。

それじゃあ、君すまないが、先に行ってて下さい…
僕は着替えてから、レストランへいきますので…

いったん部屋へ戻りますから … 」



-わかりました、結城様♪
私も着替えてからまいりますので…


ロビーで待ち合わせをいたしましょう…いかがでしょうか♪ -



「はい…♪
それでけっこうです…
じゃあ、あとで ね ♪ 」


結城は小絵に、そう言うと…背を向けてサッサと行ってしまった。
< 131 / 354 >

この作品をシェア

pagetop