ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
ホテルのロビーには、ルイ王朝時代を思わせる家具が置かれ、
宮殿のような館内には、円柱とア-チが連なり、
大理石の床が広がっている。
テラスに面しているスペースには、モダンなソファが置かれ、
目の前には、さりげなく花が生けられたテ-ブルがあった。
明日には、このテラスから、朝日が輝くように降り注ぐだろう…
小絵はそのロビーのソファに座っていた。
いつものドレスに着替えていた。
胸元のロ-ズクオ-ツのネックレスが小絵の顔を優しく包んでいる…
そして小絵は後ろに束ねた髪にリボンを結んでいた。
いつもは何も付けないのに、今宵は何ぜかしら…
付けてみたくなったのだ。
その髪飾りの黒いリボンには、ロ-ズクオ-ツの小粒が縫い付けてある。
小絵が細工して付けたのだ。後ろ姿はこれで引き立つからだ。
小絵はピアノを弾く姿は、 後ろ姿が以外にも目立つために、
発表会の時には、いつもそうしていたからかもしれない…
黒のドレスに黒のリボン、 髪飾りも黒のリボンと…
黒づくめの小絵だが、それゆえに…
ピンク色のロ-ズクオ-ツのネックレスが際立って輝いて見えていた。
その小絵の前に、さっそうと現れた結城は…
なんと…タキシ-ドに…
蝶ネクタイという姿である。