ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love


そのニンフは話を止めない………聞いてって…
羽根をバタバタさせて、結城の顔に近付いていた。



“ 私はレモンの木のニンフ…私の故郷はカプリ島、


そして、私はもうすぐ … 死ぬの……… ”



「えっ、死ぬって…
どうして死ぬんだい!


ニンフは、死なないのじゃなかった… 」



“私のレモンの木は、 もうすぐ枯れるの…


樹木のニンフは、その木の命と同じなの…


その木が枯れたら…
終わるのよ。


でも、海のニンフは永遠に生きることができるのよ ”


「ニンフさんにも、いろいろあるんだねえ………


じゃあ、君はそれからどこへ行くんだい… 」



“ ム-サの神殿に戻り… 新しいレモンの木を授けて貰うの ♪ ”



「不思議だなあ………
そんなことがあるなんて、

でも君って、ほんとうに… 可愛い…ニンフだね ♪」



“ありがとう♪
嬉しいわ。

これで、さよならだけど…あとに残る小絵を、
よろしくね …♪ ”



「さよならって…寂しいなあ…

ずっと、小絵さんに寄り添ってくれていたら…
いいのに♪ 」



結城がそう言うと…
ニンフは目をまるくさせて…結城の頬に軽くキスをした………♪






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