ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
「うわあ…もう駄目だ。
ずっと、ここにいて…♪ 」
“そうもいかないのよ!
こうしていても、
私はいても立ってもいられないの…
私のレモンの木が、もう終わりに近付いているわ…
カプリ島へ来てくれてありがとう♪
また、いつの日か…
このカプリ島へいらして… お待ちしてますから♪ ”
「ええっ………そんなの… ないよ!
僕から逃げないで…下さい」
“小絵がいるでしょっ…♪ 大事にしてやってね。
お願いね♪ …”
「小絵さんねえ………
でも、僕のこと、
どう思っているのかなあ…
うん、でも君の言うように 面倒みるよ」
“ありがとう♪
安心したわ。小絵もあなたのことは、好きなはずよ…
だって、私と同じことを、思うはずだから…”
「ほんとうなのかなあ…
何だか小絵さんを見るのが、怖いような気がするよ。
僕のようなおじさんを、
好いてくれるとは、
思わないからねえ… 」
“そんなことは、気にしないの…!
小絵は優しい娘よ、
貧しくてもひたむきに、生きてるわ…
私はそんな小絵が、
ほっとけなかったのよ ”
「わかった。
良くわかりましたから、
心配しなくていいよ…
きっと力になるからね 」
結城は…だんだんカプリ島のニンフに引き込まれて…
何を言ってるのかも、わからなくなっていた。
それに、またしてもニンフは結城の頬にキスをしたのだ………
それだけでも、結城には舞い上がるような気持になってしまうのに………
その結城の顔を優しくニンフの手が包み…
そうっと…結城の唇に接吻したのだ。
そして、ニンフは耳もとに、ささやいていた…
“お願いね…♪
約束しましたよ。
小絵の力になってあげて…それからね…ひとつだけ、 教えてあげるわ♪
小絵は日本へ帰ったら、
あなたの子供を生むわ ♪
もう、決まっているの…
ムネモシュネさまが、 そう言ってたわ… ”