ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love


「うわあ…もう駄目だ。
ずっと、ここにいて…♪ 」


“そうもいかないのよ!

こうしていても、
私はいても立ってもいられないの…


私のレモンの木が、もう終わりに近付いているわ…

カプリ島へ来てくれてありがとう♪


また、いつの日か…
このカプリ島へいらして… お待ちしてますから♪ ”



「ええっ………そんなの… ないよ!


僕から逃げないで…下さい」


“小絵がいるでしょっ…♪ 大事にしてやってね。
お願いね♪ …”



「小絵さんねえ………

でも、僕のこと、
どう思っているのかなあ…

うん、でも君の言うように 面倒みるよ」



“ありがとう♪
安心したわ。小絵もあなたのことは、好きなはずよ…

だって、私と同じことを、思うはずだから…”



「ほんとうなのかなあ…

何だか小絵さんを見るのが、怖いような気がするよ。

僕のようなおじさんを、
好いてくれるとは、
思わないからねえ… 」



“そんなことは、気にしないの…!


小絵は優しい娘よ、
貧しくてもひたむきに、生きてるわ…


私はそんな小絵が、
ほっとけなかったのよ ”


「わかった。
良くわかりましたから、


心配しなくていいよ…
きっと力になるからね 」

結城は…だんだんカプリ島のニンフに引き込まれて…
何を言ってるのかも、わからなくなっていた。


それに、またしてもニンフは結城の頬にキスをしたのだ………



それだけでも、結城には舞い上がるような気持になってしまうのに………



その結城の顔を優しくニンフの手が包み…


そうっと…結城の唇に接吻したのだ。



そして、ニンフは耳もとに、ささやいていた…



“お願いね…♪
約束しましたよ。


小絵の力になってあげて…それからね…ひとつだけ、 教えてあげるわ♪


小絵は日本へ帰ったら、
あなたの子供を生むわ ♪

もう、決まっているの…


ムネモシュネさまが、 そう言ってたわ… ”
< 140 / 354 >

この作品をシェア

pagetop