ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love


-まあ、なんて素敵な…♪♪♪-


小絵は、結城の部屋に入るなり、そう言ったが…


後の言葉を失っていた。
あまりにも、豪華な雰囲気に包まれていたからだ。


テ-ブルの料理もだが、
その脇にある大理石のテ-ブルには…


女神と竪琴を持つ騎士像が置かれ、華やかな花が生けられていた。


その奥には、真っ白いピアノ…グランドピアノが置かれている。


-結城様…♪
無理なことをお願いして… すみません…


今宵が最後のカプリ島ですから、ぜひごいっしょにと…

わがままを言ってしまいました-



「いいえ♪

どう致しまして…貴方にはとても良くしていただきましたから…お礼ですよ」


-ありがとうございます♪ 嬉しいですわ…とても。


私からのお礼に…
ピアノを弾いてさしあげますわ♪-



「ありがとう♪
君には、何といっても感謝 するばかりだ。


こんなおじさんに…
とても親切にしてくれて、

おかげで…
たくさんの思い出が、僕の胸に詰まりましたよ…」



-そう言って下さって、 ありがとうございます♪


私もたくさんの思い出が、 できましたわ…結城様。


それに、ここは素敵なお部屋ですね。


ピアノも、とてもいいわ♪ でも、久し振りなので…


あまりじょうずに、弾けないかもしれませんわ-


小絵はそう言いながら…
ピアノへと、近付いていた。





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