ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
もし、あの男が結城様だとしたら、妻はトイレにでも行ったのかもしれない。
それなら、納得できる…
小絵は手をあげて、頭を下げた。
その男も頭を下げていた。 そして、小絵に近付いて来ようとしていた。
本当に妻がいたら、待つはずだ。
二人そろって、現れるはずなのに、何故一人だけなの!
『どうして、奥様はいない の! 何か急なことでも 起きたのかしら… 』
小絵には、さっぱり理解できなかった。
向こうから、小絵の旗を、目指して近づいて来たらしく…
小絵の目前にきた時には、ほっとしたような顔をしていたが…
この男は、以外にも品のいい紳士だった。
スラリとした、長身の男性、髪は少し白髪が混ざっていたが、
顔立ちは男らしく、育ちの良さを思わせていた。