ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
二人のゆっくりとした足取りは、辺りの静けさを、
よけいに感じていた。
少しだけ、強い風が吹き抜けたが、
その風は通りの向こう側にある、ダッツェリオ公園の樹木の葉を揺すっている。
その、木の葉が擦れ合う音を騒がしく感じるほど、
そのホテルは、静けさと、 深い緑に包まれているのだ。
二人の部屋は、廊下を挟んで向かい合わせになっている。
-では結城様♪
ごゆっくり、お休み下さいませ。
何かご用がございましたら、いつでもお呼びください。
私はこの前の部屋ですから、安心していてください-
「ありがとう♪
じゃあ、おやすみなさい。 明日は楽しみにしてますからね!」
結城は少し照れるようにして手を振り、ドアの奥に 消えていた。
結城を部屋の前で見送り、小絵は自分の部屋に戻っていた。