ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
ホテルの朝
明くる朝、小絵は結城が、なかなか起きて来ないので結城の部屋をノックしていた。
-結城様!-
小さな声で呼んでみた。
すると、ドアが開けられて、中から結城が眠い顔をしてでてきた。
小絵は廊下に立っていたのだが、結城が手招きしたので、仕方なく部屋に入った。
-おはようございます♪
結城様は、昨夜はよくお休みになれなかったのですね-
「そうなんです!
寝坊してしまって-
すみません 」
-いいえ、かまわないんですよ…
結城様、お一人ですから
じゃあ、私は自分の部屋にいて、お待ちしてますから-
小絵はそう言い、自分の部屋に戻っていた。
ベッドに腰掛け、足を…… ぶらぶらさせて、
小絵の悪い癖だ。
幼稚性が抜けなくて、
いつも母のルツ子から注意されていた。
『結城様は、やはり奥様のことが気になって…
よく眠れなかったのだわ。
寂しい旅行になってしまって……
でも何故結城様は…
お一人でも旅行しようと
思われたのかしら 』
普通ならキャンセルするだろうに-
結城様が一人でも旅行することに、
意味があったのだろうか…
そんなことを考えてしまったが、結局はお門違いだと悟った。
他人さまのことを、あれこれ詮索するのは良くない。
自分は、観光巡りのガイドなのだ。
そして、大切なお客様…
小絵は気を取り直し、これから結城に喜んで貰えるように、頑張ってみよう…
そう、思った小絵に-