ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
そして…
いつの間にか小絵は、
結城の肩に頭をもたげて、気持よく眠っていた。
それをバックミラ-で見た運転手の男は…
結城に目くばせしながら、 肩をすかしてみせ、
笑っていた…
「よほど眠たかったんだ。 いいよ!このままで…
僕はかまわないよ ♪」
結城は日本語で答えていたから、その運転手には全く意味は通じない…
1時間もたっただろうか? 小絵はふと、目が覚めかけて、
自分は今結城の肩に、
頭を乗っけていることを
初めて知った…
でも、まだ眠っているふりをしていようと思った…
それは、あまりにも心地よかったからだ。
なんと説明すればいいのか、わからないが…
つまり、結城に対して初めて男だということを、
小絵は意識したのだ。
観光客とガイドという、
関係が少しづつ変化している。
でもそれは、小絵のほうだけであり、
結城はどんなふうに、小絵のことを思っているのかは、知るよしもないが…
とにかく、こんなことは初めてのこだ。
恥ずかしいと思ったのだが 、しばらくは結城の肩に、触れていたかった。