ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love

そして…
いつの間にか小絵は、


結城の肩に頭をもたげて、気持よく眠っていた。


それをバックミラ-で見た運転手の男は…


結城に目くばせしながら、 肩をすかしてみせ、
笑っていた…



「よほど眠たかったんだ。 いいよ!このままで…
僕はかまわないよ ♪」



結城は日本語で答えていたから、その運転手には全く意味は通じない…


1時間もたっただろうか? 小絵はふと、目が覚めかけて、

自分は今結城の肩に、
頭を乗っけていることを
初めて知った…



でも、まだ眠っているふりをしていようと思った…


それは、あまりにも心地よかったからだ。


なんと説明すればいいのか、わからないが…


つまり、結城に対して初めて男だということを、
小絵は意識したのだ。



観光客とガイドという、
関係が少しづつ変化している。


でもそれは、小絵のほうだけであり、


結城はどんなふうに、小絵のことを思っているのかは、知るよしもないが…


とにかく、こんなことは初めてのこだ。


恥ずかしいと思ったのだが 、しばらくは結城の肩に、触れていたかった。




< 76 / 354 >

この作品をシェア

pagetop