ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
小絵が結城に見て欲しいのは…
朝食用の食器だ。
ホテルにふさわしいものが並んでいる。
- ねっ ♪
結城様、このホテルの食器はとても、素敵でしょう♪
これは、ジノリのものですよね。
それに、このホテルの銘入りですね…
これは、山葡萄の図柄だわ♪ … ほんとうに素敵-
「君は、やはり美術を学んでいるだけに…
ものを見る視点が、僕とは違いますね …
いったい、君は何を造るのが得意なの…
一度聞いておきたいと、 思っていたんだ… 」
-私は彫金が得意なんですが、その中でも腕輪を作るのが好きなんです…
卒業作品にラピスラズリ… これは和名は金青というのですが、
この貴石を使って、金細工を施した腕輪を作りたいのです。
でも、材料費が高くて、
なかなか製作にかかれなくて…
だから、こうしてガイドの お仕事をしていますの!
もうすぐ卒業だというのにね… -
「いやあ、偉いなあ…
君は素晴らしいことを、
学んでいるんだねえ…
きっと、いいものが作れると思うよ!
僕は見たことの無い石だね… … そのラピスとは」
-そうなんですか、ご存じ無い…
私はそのラピスという石が、とても好きなんです。
その石の青さは、紺碧の海の色なんですよ♪
その石の中には、金が混ざっていて光っているんです。海に写る星のようにね-
「海に写る星 なんですか…いいなあ、その言い表し方。
やっぱり、君は芸術家だね!…素晴らしい♪ 」
-結城様、せっかくですから、ご説明致しますわ。
この貴石の名は、
唐の時代以前には…
瑠璃と言われていました。
ルリはサンスクリット語です。仏典にも書かれていますが…
その当時は、顔料や玉として使用したそうです。
あのクレオパトラも顔に、 アイシャド-として塗っていたそうですよ … -