ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love


「桂川さん♪
大丈夫ですか…
どこか具合でも、悪くなったの!…」


結城の言葉に、虚をつかれた小絵は…



-あっ、大丈夫です。
すみません、考えごとをしていたみたいです-



「それなら安心です。

何だか…目が遠くのほうを 見ていたから、
少し心配しましたよ 」



-すみません、
ご心配をおかけして…

デザインが、ふっと浮かんだものですから-



「ああぁ…そうだった。

ラピスラズリの石を、 話題にしていたからですね 」


-はい♪…私のいつもの
悪いくせですわ。

時々、こういうことがありますの、
困ったものです … -



「いやいや…
やはり、君は芸術家だ。

いつも何かを、探している そんな目だ… 」



-いやだわ♪
そんな立派なものではありませんわ -



-それに、今は勉強中なのでデザイナーになれるか、 どうかもわかりませんから -


小絵が、言ったことは本当のことなのだ。


勉強したからといって、
ジュエリーデザイナーに
なれるとは言えない。


細工職人としての技術は、 学べば遠からず、
一人前にはなるだろう。



しかし、小絵の目指しているのはジュエリーデザイナーである …
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