ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
それが終われば、小絵は
日本へ帰国するつもりである。
二人で朝食したのはいいが、話がとんでもない方へ 飛んでいた。
小絵は気を取り直し、
自分をガイドのモ-ドへと切り換えた。
-では♪
結城様、シエナの街をご案内致しますわ~-
「迷路のような、石畳が続く…街 … 」
- はい ♪
そのとうりです。
頑張って歩いて下さいね -
ホテルから出た二人は歩き出していた。
シエナの街の中心部へと… 目指すのは、カンポ広場だ。貝殻の形をしているが、 何故かわからない…
その貝殻形のカンポ広場を見下ろしているのは、
マンジャの塔である。
世界一美しいと言われているシエナの街に…
すらりと、そびえ立つ姿は建ち並ぶ煉瓦造りの…
プッブリコ宮殿をより優雅に見せている。
その辺りは、中世のたたずまいが続いていた。
レンガや石造りの家、
石畳の道………
-結城様ごらん下さい♪
あれがマンジャの塔です。
あのマンジャの塔は、
白い冠をいただいて、誇らしい姿に見えますでしょ-
「ほんとうだね…
あの青い空に向かって…
すらりと、そびえてる姿は 誇らしげに見えますねえ」
結城と小絵は二人で、そのそびえる塔を見上げていた。