ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love
ポジタ-ノ の真珠


ナポリの空港からタクシーに乗ったのだが、


あまりにも、景色の変わるのが、目まぐるしくて…


シエナからフィレンツェへ… そしてナポリに…


けれども、車は今………
南イタリアへと向かっている。


そこは、ポジタ-ノ という南イタリアのリゾート地…

いつものバカンスの季節には、世界中のセレブ達が集まるのだが…



今の季節は大丈夫………
観光客も少ないから、のんびりと過ごせる。



その街の地形は険しい断崖が多く、


絶壁にも張り付くようにして街は広がっている。


しかし、そんなところにも、パステルカラ-のクレヨンを散らしたように…


家が建てられている。
とても小さな街だ。


そこには、すぐ手が届くように、アマルフィ海岸があり、


セレブ達には、アマルフィ海岸の真珠と愛されている。


その海岸に面してホテルは建っている。


小絵と結城は、ここに一泊することになっているのだが…


ここでは観光巡りはしないことにしていた。


理由は…当初は、結城夫妻ということになっていたから、


小絵は、結城夫妻にはロマンチックな気分を味わってもらいたいと思って、


考えたのだが、ハズレ…
そう、有る意味全てにおいて…


そのホテルの部屋のテラスからは、真珠のような海が見え、

断崖に建てられた
パステルカラ-の家々を眺めることが出来るのに……

小絵はホテルに着いたとたん、結城を慰めるつもりでこう話しかけていた…



-結城様♪

今晩のお食事には、とても美味しい魚介類が並びますから、
どうぞ堪能されるまで…
召し上がってください♪-


「ほんと♪
それは楽しみだなあ…

どんな魚が出てくるのだろう。
こんな顔をしたのが
出てくるんじゃないの〃」

結城は自分の頬に手を広げて当てて…
パラパラとさせて笑っていた。


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