高校三年生

テストは散々だった。


担任にも「山西は推薦は関係ないから良いものを,こんな成績で行ける大学はない」とまでいわれてしまった。


今井祐輔は,二年の時は見違えるような成績を取っていた。


「おまえ…学年8位だと?」


僕は返却された今井祐輔の成績表を見て,思わず大声をだしてしまった。


「バカ!恥ずかしいからやめろよ!」

と祐輔はいい,成績表を僕から奪い返した。


僕の声はクラス中に聞こえていたらしく,女子は皆驚いた顔をして何かヒソヒソと話していた。


「まっ,努力したからさぁ」

祐輔がニヤッと笑った。


この時僕は笑えず,かなり焦っていたのは言うまでもない。


「はぁ…」

とため息をついていると


「どーしたの?エンスト俊介くん!!」


ハッと振り返ると副キャプテンの村井ケントがニヤニヤ笑っていた。


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