高校三年生
僕のクラスは緑組であった。
団長はいじられキャラである,杉田大輔が半ば強制的に,やらされることになった。
剣道部に所属している杉田大輔は声もよくとおるので,団長には適任であったが,人望はそれほど厚くなく団員をまとめる能力は欠けていた。
次第に僕や今井祐輔…井上利弘,その他の団員は,団長である杉田大輔の指示に従わなくなり,各々好き勝手にやりはじめた。
指示に従わない僕らをみて,何人かの女子が何かブツブツと話していた。
「なんだよ?言いたいことあんなら直接言えよ!」
っとまさに僕が言いかけた瞬間…
一喝したのが,山岸エリであった。
「杉田クンがこんなに頑張ってくれてるのに,どうして皆まとまってくれないの!?
最後の体育祭なんだよ!?
中途半端に終わりたくないじゃん!!
やる気ないならやんなくていいから帰ってよ!部活行きなよ!!」
普段のほほんとしている山岸エリは,顔を真っ赤にして今にも泣きそうな表情で団員を睨みつけていた。
なぜか僕はこの時,ますます山岸エリに魅力を感じてしまった。
自分達の過ちを悟った僕らは,真面目に練習に取り組むことにしたのだった。
杉田大輔も若干安心したようだった。