僕とこいつは生徒会長
「じゃあマキさんは人を好きになったことがないんですか?」


「そうじゃねぇけど、異性は見本として見てるからな」


そう思ってるくせに心の中で僕は女だって言い張ってる自分がいる。


その証拠に今の格好はいつもみたいに男の子な格好じゃなくて見ただけで女の子だってわかるからそれが嬉しかったりする。


「見本…ですか?」


「あぁ。見本。
僕が男の子みたいにしたら他の子が喜ぶから」


そうしとかないと僕の存在理由がなくなりそうで嫌だった。



「前から聞こうと思ってたのですが、マキさんはなぜ男の子のような振る舞いをしてるのです? 普通に女の子の格好してても可愛いのに」


僕だって本当はそうしたいよ。だけど皆がそれを許さない。


僕を『マキ』って呼ばずに『マサキ』と呼ぶ限りは…




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