一目惚れの君【短編】


笑顔でドラムを刻む先輩。




見納めかぁ





あなたが指揮に夢中で本当に助かった。






大人の雰囲気が漂っているから、きっとあの人は三年生だろう




彼女だってきっといる





あの優しい真剣な眼差しなら、見ただけで近付きたくなる。





優しくされたら親しくなりたいと願ってしまうのだろう。





あたしは無謀な恋を一目惚れだけで済ませてよかったんだと思う。





かっこいいよ先輩。





『ありがとうございました!!!』




部員は最後の一音を響かすと、立ち上がって一礼した。





「行こっか」

「うん。」





志野と立ち上がって出口まで歩く。



沢山の観客がいたから結構込み合っていて、なかなか進めない…







< 5 / 13 >

この作品をシェア

pagetop