一目惚れの君【短編】
バッと二人に背中を向けて走り出した。
「あ、ちょっと!!」
志野があたしを追って来た。
気付けば駅のホーム。
「なんで走るのよ?」
「いや、それは……」
ニッコリ笑うと、志野はため息をついた。
「ごめんね?」
「いいけど……あ、さっき神前先輩がね」
“神前先輩”きっとあの人の名前。
「言わないで!!」
「はい!?」
わわわわぁと耳を塞いで志野の言葉を聞かなかった。
呆れたようにまたため息を落とす志野。
ごめんね?