アイオンとユーリア

その日一日、ユーリアの姿を求めて町中
を探し回ったアイオン親子ですが、

ユーリアはついに見つかりませんでした。

一家はうつむきがちに家に帰り、1階の
リビングのテーブルで暗い夕食を取り
ます。

作曲家の父の、作りかけの楽譜がテーブ
ルの上に散乱したままの夕食で、

どうやらハーテーもカーサも、それを
片づけてから食べようという気力がない
ようです。

そのとき、コンコンと、玄関のドアを
叩く音が聞こえました。