心ノ囁キ ーサヨナラのオトー
貴唯は、
乃栄が毎日学校を抜け出していることを
知っていた。
その事情とかも
聞かなくてもわかっていたので
服を借りにくることを予想し、
いつも、服を用意してくれていた。
しかも、
乃栄の趣味に合った服。
こんな性格の貴唯でも、意外にしっかりしている。
「…よし、今日はこれ。」
乃栄が着替えたのは、
ゼブラ柄の半袖パーカーに、
インナーは黒のタンクトップ、
膝より少し下くらいの
ジーンズだった。
…カシャッ
「…あ゙。」
「写真撮った♪可愛い乃栄ちゃんを〜!」
携帯を片手に、てへっと笑う貴唯は
とても可愛かったが、
乃栄にはそれどころじゃない。
「けっ//消してよぉっ!!」
「照れてるぅ!可愛い〜!」
「ぅ…うるさいっ!」
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