心ノ囁キ ーサヨナラのオトー



貴唯は、

乃栄が毎日学校を抜け出していることを
知っていた。


その事情とかも
聞かなくてもわかっていたので

服を借りにくることを予想し、
いつも、服を用意してくれていた。


しかも、
乃栄の趣味に合った服。


こんな性格の貴唯でも、意外にしっかりしている。



「…よし、今日はこれ。」



乃栄が着替えたのは、


ゼブラ柄の半袖パーカーに、
インナーは黒のタンクトップ、
膝より少し下くらいの
ジーンズだった。




…カシャッ



「…あ゙。」


「写真撮った♪可愛い乃栄ちゃんを〜!」


携帯を片手に、てへっと笑う貴唯は
とても可愛かったが、

乃栄にはそれどころじゃない。



「けっ//消してよぉっ!!」


「照れてるぅ!可愛い〜!」


「ぅ…うるさいっ!」




_
< 15 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop