心ノ囁キ ーサヨナラのオトー
オカエリ
楽器店で受け取ったそれを持って、
街から少し遠い、公園に向かった。
…10分くらい歩いて、やっと到着した。
その公園は、とても大きな自然公園だった。
大きいわりには街から遠いからか、人はあまり来ない。
人がいっぱいいるところは、嫌いな乃栄だから、
ここは彼女にとってお気に入りの場所。
アレをするのにも、絶好の場所でもある。
近くの真っ白いベンチに座り、
横長のケースをそっと撫でながら言った。
「おかえり。私の親友。」
そう言うと、ケースのチャックを開け、
中にある立派な四角いケースも開けた。
「あれ?…磨いてもらった?随分とピカピカ…。」
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