心ノ囁キ ーサヨナラのオトー






また本に目を移し、
読書の続きをしようとしたとき…






ガザッ




「!!!?─…誰…?」



本を鞄の上に置き、そっと立ちあがると


音がした、自分と反対側の壁の方に
ゆっくり行ってみた。



恐る恐る壁から顔を覗かせてみると…─。





「─スー…スー…モゾッ…──」



「…ふ…不良…さん?」







乃栄が見たのは

屋上に寝転び、お昼寝中の
赤い髪の不良だった。




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