心ノ囁キ ーサヨナラのオトー





「…つまりは朔哉って、少し前に引っ越してきたんだ。」

「ああ。親父の事情でな。」

「だから同じ学年なのにわかんなかったんだ。」

「学校サボってばっかりだったけどな。」




話を聞いて知ったのは、


朔哉は父親と二人暮らし。

母親は朔哉が小さい頃に離婚し、強制的に父親側に引き取られた。

別にどっちでもよかった朔哉は、何も思わなかったが。

そして半年前、引っ越してきた。




「ごちゃごちゃして面倒くさいけど、俺は生活できれば何でもいい。」

「あ、そ。(笑)」

「は?なんだよぅ。そーゆー乃栄は?家族とか。」


「私ぃ?…私のかぞ…」




家族








『ガシャーン!』

『うっ…。や…だ…』

『アンタが…!!アンタなんかが生まれたせ…』




………



乃栄…




「乃栄ー?」




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